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「帯状疱疹の痛み」
帯状疱疹はそもそも子供の頃にかかった‘みずぼうそう 水痘’です。神経に潜んでいた水疱瘡のウイルスが、体調不良や抵抗力の低下をきっかけに神経の走行にそって発疹と痛みをおこします。最初は皮膚が赤くなりその後小さい水疱がたくさんできます。水疱が出る前からぴりぴりとした痛みを感じその部位の感覚が鈍くなる方もいれば、水疱が出てから痛みや感覚の鈍さを感じる方もいます。子供の頃の水疱瘡と違い水疱は体の片側にだけみられます。たとえば、片方の顔面から頭部、片側の胸から背中、片腕、片方の腹部あるいは、片方の足などです。帯状疱疹ウイルスは1週間程度の抗ウイルス剤の内服や点滴により退治できます。ウイルスはほとんどの場合重症化することなく退治できますが、痛みは程度や治り方が人によって大きく違い治療が難しいこともあります。抗ウイルス剤のみで痛みが軽減することもありますし、通常の痛み止め(消炎鎮痛剤)を加えることで楽になり水疱が消えるとともに痛みも消えてしまう場合もありますが、通常の鎮痛剤では我慢できないほど痛みが強い場合もありますし、水疱が消え皮膚科に治療終了といわれた頃、急に激痛となる場合もあります。痛む期間も数週間、数ヶ月、半年以上とさまざまです。帯状疱疹にかかるということは体力がおちているということですから、痛みをとり十分に休息することが大事です。通常の鎮痛剤で痛みが取れない時や鎮痛剤を必要とする期間が長引く時は神経ブロックをします。痛みだしてから数ヶ月以内は多くの場合非常によく効きます。痛みだしてから半年以上たちますと効果が悪くなってきます。薬も通常の鎮痛剤以外に抗痙攣剤、抗うつ剤などいろいろな薬を組み合わせます。帯状疱疹は後遺症である痛みの治療がむずかしい病気です。痛みが強い場合は早めにご相談ください。



「女性の方も、男性の方も。」
猛暑といわれた夏が過ぎたかと思ったら、もう初雪の話を聞きます。痛みに悩まされておられる方々には、いやな季節になってきました。となりが婦人科ということもあって、受診される方には若い女性が多いのはいなめませんが、男性の方にも相談していただけたらと常々思っております。



「痛みは我慢すべきか」
大昔、私がカナダの理学部の学生だった頃、痛みの生理学の授業中”東洋人にはあまり鎮痛剤は必要でない。必要としても白人の半分程度でいいようだ”と雑談で聞きました。それから時がたち私は日本で麻酔科の医者となりましたが、たしかに日本人(他の東洋人は知りませんが)は鎮痛剤を欧米人ほど使わないようだということをいろいろな話や場面から知りました。たとえば、他の国々と比べ日本の使用量が大変少ないモルヒネに対する一般の印象です。啓蒙により最近はモルヒネの使用量も以前に比べ増えてきているようですが、少し前までは癌患者の痛みをモルヒネで軽くすると早く死んでしまうという話をよく聞きました。”モルヒネは死を招く縁起の悪い薬なので、できる我慢はして最後に使う。”といった扱われ方です。腰痛など一般的な痛みでも薬や注射で軽くするのは根本的治療ではないので体に悪いといった話を患者さんから時々聞きます。本当にそうなのでしょうか。手術後の痛みや癌患者の痛みをモルヒネをふくめあらゆる方法で軽減することは寿命を縮めるどころか手術後の回復を格段に早め癌患者の寿命ものびるという報告があります。痛みは異常が起こっていることを知らせる役目が終わればすみやかにとりさり体に休息をとらせ快適に過ごせるようにする。そして考えられる原因を探す。それが”体にいいこと”なのではないでしょうか。しかし、痛みの原因は、はっきりと見つかり治せることもありますが、見つかっても老化現象の結果による痛みのように根本的かつ完全には治せないこともしばしばあります。原因がひとつでなく複雑に絡まってはっきりしない場合もあります。そんな場合でも使える医療技術を利用し痛みを軽減する努力をして体に休息を与えることはたとえ完治しなくても生きるうえで大切なことのように思います。



「頚椎症:後頭部、肩、腕、肩甲骨周辺の痛みとしびれ」
後頭部、肩、腕、肩甲骨周辺の痛みやしびれ、がんこな肩こり、手が動きにくいといった症状は老化や外傷による頚椎(首の骨)や椎間板(首の骨と骨の間にあるクッションのような役目の組織)の劣化が原因となることが多いです。頚椎や椎間板の形が悪くなるとまわりの組織や近くを通る神経に炎症や神経過敏がおこり、それにより痛み、しびれ、運動障害などの症状があらわれます。これを頚椎症といいます。痛み、しびれ、運動障害の症状すべてがあることもあればひとつ、ふたつの症状のみのこともあります。そのほか耳鳴り、めまい、ふらつき、眼痛、眼精疲労、視力障害などがみられる場合もあります。治療は炎症や痛みをなるべく早く抑え日常生活に早くもどることが目的となります。薬や神経ブロックが主な方法で症状が軽快すれば治療終了となります。症状さえ軽快すれば、麻痺症状や他の症状が進行するといった場合をのぞいて一般に手術はしません。神経は繊細ですからなるべくさわらずそっとしておくのです。頚椎や椎間板の劣化は進行することはあってももとにもどることはありません。しかし形がもとにもどることはなくても症状は消失したり軽快したりします。症状が軽快したら日常生活を楽しみ同時に軽い運動をこころがけ首に負担のかかる姿勢を避ける工夫をして症状の再発予防をします。



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